挙式で京都に行ったついでに食べ歩きもしています。サントリーの京都料亭特集でも気になっていた、たん熊北店に初訪問。僕らが若いせいか、階段を上ってずっと奥にある部屋に通されます。途中、ひな人形を飾った部屋に寄って、見せてくれたりもしました。部屋数はかなりありそうですがこの御時勢だからか、他に客はいなかったのでは?というくらい店内は静かです。まあ、広い店なのでそのへんは分かりませんが、ひっそりとしていました。
前菜
まずは前菜のセット。2月末なので、もうひな祭りの器です。蛤の酢味噌あえは、お酢と柚子のゼリーの相性がいい。押寿司、赤貝の辛子酢味噌あえ、菜の花のしらあえなどなど、どれも個性的でハッキリとした味付け。もう一品の前菜、鯛の白子はものすごくうまかった。これはお酒を飲みたくなります。
たん熊の地ビール
たん熊北店はメニューはなくて、料理の説明も特にありません。値段がよく分からないので日本酒はやめときました。ということで、注文したのは「たん熊の地ビール」。たん熊は惣菜なども独自ブランドで売っているそうですが、まさかビールまであるとは知りませんでした。
接客はかなりくだけた感じで、奥の方から仲居さんの笑い声が聞こえるほどのびのびとしています。この日は暇だったのか、いつもこうなのかは分かりませんが、かなりのんびりとしていました。
お造り
お造りは中トロ、ヒラメ、エンガワ、イカ。イカとヒラメは歯ごたえがすごい。中トロやイカなど、刺身はかなり質が高い。これはお金が掛かっているな、というのはすぐわかります。
アブラメのくずたたき。アブラメはあいなめのことで、周りにくずをまぶしています。柔らかく香り豊か。うぐいす菜はカブの赤ちゃん。小さいうちに摘んだものです。ニンジン、大根は薄切り。ダシはかなりハッキリとした味です。
グジの焼き物。グジはアマダイのこと。皮は炭火でパリパリに焼いてあり香ばしい。微妙な塩気がちょうどいい加減。臭みが全くなく軽いのもいい。身はフワフワとしてこれもうまい。柔らかい身とカリカリの皮の組み合わせが面白い。この日一番印象的だったのはこの一品です。これはまた食べに来たい。
炊き合わせ
穴子、カブ(柚子味噌)、里芋、湯葉の揚げ物の包み。ダシがうまく、全体のバランスがよくとれています。
酢の物
タコは卵付き。ゲソ、アワビ、キュウリ、ミョウガなどの酢の物。これもうまい。出てくるもの何でもうまいし、少しずつ視点を変えているのには感心します。
かぶらむし
かぶらむしは、アマダイの身がダシと渾然一体となり、なんとも言えない風味。
お食事
デザート
ダシのうまさ、材料の質のよさ、魚の焼き方、料理の見せ方など、どれをとってもハイレベル。接客はきちんとはしてないけど、フレンドリーな感じで悪くない。ビール一本の値段の高さから推測すると、酒を頼むとかなりの値段になってしまいそうです。酒は飲みませんでしたが、その分、最後までキッチリ料理を味わえました。最近途中で飽きたり、疲れたりする店が多かったのですが、久々に最後の一品まで気持ちよく楽しむことができました。さすが京都の名店。また違う季節に来たいと思います。
■店名:京料理 たん熊北店 本店
■住所:京都市中京区西木屋町四条上紙屋町355
■電話: 075-221-6990・5490
■営業時間:12:00~14:00、17:00~22:00
■定休日:第2・4火曜日
2009.02.26