2009年10月27日

カンテサンス 白金

ミシュランで二年連続三つ星に輝き、絶賛の止まないカンテサンス。予約は非常に困難で、電話が通じないほどの人気だ。さすがに電話する気にはならないが、ずっと気になってはいた。そんなある日、「カンテサンス予約したんですが、どなたか如何ですか?」というお誘いを受けた。こういう店は常連さんの予約に便乗するのが一番だ。カンテサンスは、若き岸田シェフの才能が脚光を浴びる一方、人によって好みが分かれるという話もよく聞く。火入れのテクニックが素晴らしいとの評判だが、一体どんなものなのか、期待に胸を膨らませて訪問した。

店内は意外と狭く、こじんまりとしている。女性客が多く、中には騒いでいる人もいる。ミシュランの影響か、星の付いた店に行くと、よく目にする光景だ。写真撮影は基本的に不可。フラッシュがダメなのと、携帯で写真撮ると音が鳴るので、それを嫌っているらしい。ただし個室の場合は少し緩くなる。フラッシュはさすがにNGだが、個室であれば料理の撮影は問題ないそうだ。

椎茸

マティーニ風ビーフコンソメ
コースは1,6800円(税込・サービス料10%)のみ。有名な「白紙のメニュー」が渡された。要するに、コースはおまかせのみ。食材がピークの状態の時に食べてもらいたいということで、その時出せる最高の食材でコースを組んでくれる。その日の直感でテーブル毎に違う料理を提供する工夫も面白い。また、同じ客に同じ料理を出さないように徹底されているそうで、予約名で過去に食べた料理を全て把握している。そういう配慮があった上での「白紙のメニュー」。普通の店でも、常連さんが前に食べた料理くらい覚えているものだが、全ての客に対しては、なかなかできるものではない。

まずは見た目のかわいい椎茸のスライスが運ばれてきた。口に入れると、椎茸のいい香りが口内に広がる。説明によると、木を組んで作る昔ながらの製法の椎茸を使用しているという。僕は田舎育ちなので、子供の頃からそんなのは当たり前だと思っていたが、東京ではこの説明を何度も聞いた。木組に菌を植え付けて作る椎茸が、それほど珍しくなっているのだろうか。椎茸のスライスの上にはポルチーニを乾燥させたパウダーを乗せている。まず最初は軽く、センスのいい皿からはじまった。

マティーニ風ビーフコンソメは、カクテル好きな人には楽しめる。独創的というほどのことはいが、これはちょっとしたお遊び。はじめの2品で、シェフはセンスとユーモアのある方なんだということは伝わってきた。レストランでは、こういう皿を通じての会話も楽しいものだ。この日、どういう感じで料理を出していくのか、最初の皿でメッセージを投げかけているような気がする。

グレープとフォアグラ

生ハム

白アスパラ
フォアグラのコンフィには、グレープフルーツが散りばめられている。酸味がフォアグラのしつこさを緩和して、サッパリと食べやすい。自家製の生ハムには紅蓼。ピリッとしてこれも絶妙。ホワイトアスパラにはホタルイカ。肝のソースは酒飲みが好む味だ。とまあ、矢継ぎ早に出てくるのだが、説明は長々と詳しく、食材とその扱いにはかなりこだわっていることが分かる。

スズキ

鳩
スズキのローストは、徳島県鳴門で漁師をしている村公一さんが釣り上げたもの。「村さんのスズキ」として有名で、高級店がこぞって求めるという逸品だ。スズキは、切ってからローストするのではなく、ローストしてから切る。切り身にすると液体がしみ出たり、蒸発したりする。そのうまみを逃さないための工夫だ。サービスの人が「ローストした後に切るのは非常に難しいのですよ」と強調する。こういう説明は食事中のネタとしては面白いが、行き過ぎると洗脳されているような気がしてくる。焼き加減は、半生。魚にも様々な焼き方があるが、このスズキはこの焼き方がベストだったのだろうか。盛り付けも含め、ちょっと寂しい気がした。「好みが分かれる」のはこういうところかもしれない。

鳩のロースト。1分焼いては5分休めるという、低温長時間ロースト。これも高度な技法らしい。

パン

デザート
かなり量が多いと覚悟してきたのだが、この日は13品のうち、4品がデザート。このバランスであれば楽に食べれる。終盤立て続けに出てきたデザートも、サッパリと食べれるものが多く、負担にならない。考えてみると、同席した常連さんは若い女性。その人の好みで、デザートを増やしてくれたのかも知れない。

■店名:レストラン カンテサンス (restaurant Quintessens)
■住所:東京都港区白金台5-4-7 BARBIZON25 1F
■電話:03-5791-3715
■営業時間:12:00~15:00、18:30~23:00
※2ヶ月先まで予約可。受付時間9:30~11:00、15:30~17:00


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