燻製キャンプ in 白州

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白州蒸溜所の特別ツアーは、実は1泊2日旅行の初日だった。白州の森の素晴らしさはサントリー白州蒸溜所 見学という記事に書いた通り。森香るハイボールを堪能したあとは、「IN THE BARREL」という白州蒸溜所内のショップで買い物を楽しんだ。樽材を再利用した木材で作ったお箸とか箸置きとかお盆とか、燻製とかウイスキーとかいろいろ購入した。特に僕が楽しみにしていたのは、白州蒸溜所でしか売っていない「サントリー白州蒸溜所シングルモルトウイスキー」。シリアルナンバーが刻印されたレアものだ。こんなうまいモルト、もっと売り出せばいいのに。どういう事情か白州蒸溜所でしか買うことができない。だから好きな人はここに来ると必ず2~3本買って帰るらしい。さて、白州蒸溜所の後は、白州にあるキャンプ場での燻製教室が予定されている。
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この楽しいツアーを企画してくれたのは、本になったブログ燻製記でも有名な燻製道士さん。燻製道士さんは、複数のブログを運営しているが、少なくとも僕が知っているだけでも4つくらいはすごく有名なブログだ。どのブログもハイクオリティ&高頻度の更新を続けている。どうすればそんなことが可能なのか?秘訣は単純に寝ないことらしい。ストイックに毎日飲み歩き、睡眠時間を削って記事を書く。一人でキャンプ場に行って飲まず食わずで燻製を作って写真撮影したり、かなりアヤシイ生活を送っておられる。でもその苦労の甲斐あって今や燻製界(というのだろうか)で広く知られる存在。その達人から燻製作りを教わることができるというのが、今回の燻製キャンプなのだ。
周囲から心配の声も上がるほど超多忙な燻製道士さんが更に自らを追い込むために(?)企画されたツアー。そのお誘いメールは突然送られてきた。「白州蒸溜所といえばモルトと燻製の聖地。まずは蒸溜所見学をして、そのあと近くで燻製キャンプやりませんか?燻製に合うシングルモルト白州を飲んで、翌日はみんなで日向山あたりを山歩きしましょうか」。モルト、燻製、キャンプ、山。燻製道士さんを惹きつけるキーワードがちりばめられた夢のような企画。でもたぶんそのあと会社に直行するかブログを書くかして、燻製道士の土日は終わっていくんだろうなあ。この人いつ寝てるんだろう。そんなことを考えつつ、燻製道士が住む白州の森に向かった。
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燻製教室がはじまった。中華鍋にチップを入れて火にかける、その上に網を置いてベビーチーズとかまぼこの燻製を作る。これを熱燻という。鍋の蓋を上げるとたった10分ほどで、おいしそうな色つやをした燻製が姿を現した。これには一同大興奮。こうして目の前で見せてもらえると、とても分かりやすく燻製の原理が理解できる。しかし落ち着いて見ていられるのは序盤だけだった。ホタテ、ナッツ類、たくあん、ローストビーフなどを仕込み、複数の燻製器を時間差で回転させていく。いつ仕込みをして、いつ火をつけるか、途中で裏返しにするのも忘れてはいけない。温度管理も欠かせない。燻製道士はかわいそうなくらいのフル稼働をはじめた。それを見越してか事前に綿密なタイムスケジュール作って燻製キャンプに臨んだらしい。その紙には何種類もの燻製を同時に作るための詳細なスケジュールが書き込まれていた。(※こちらに写真が出ています⇒燻製キャンプ in 白州 (1)燻製教室と燻製宴会篇)何事にも全力を注ぐ。これぞ燻製道士の真骨頂だ。
豚の肩ロースをビニール袋に入れて塩コショウ、おろしニンニクなどを入れる。最後に贅沢にも白州を投入。これはうまいに違いない。この分厚いブロック肉を燻製にして食べようというのだから、たまらない。うずらの卵とソーセージの燻製を仕上たところでようやく宴会が開始された。角、山崎、白州10年、白州12年などウイスキーと、ビールはプレミアムモルツ、そしてこの夏我が家でも流行ったノンアルコールビール「オールフリー」など、とにかく飲み物には事欠かない。
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キャンプ場は紅葉に包まれていた。白州は水の豊富な場所だ。近くに大きな川が流れ、燻製作りをした場所のすぐ隣にも小川が流れていた。小川というとのんびりしたイメージがあるが、この川は急流で小さいながらも大変な水量だ。その支流もさらに森の中を流れていく。このキャンプ場にいるだけで、白州の山にはきれいな水が大量に流れていることがはっきりと感じ取れた。サントリー天然水や白州蒸溜所は白州にあるが、この水量、水質を目の当たりにすれば、工場のひとつも作りたくなるだろうと妙に納得した。
ぼんじりの燻製もうまかった。チーズの燻製は中がトロトロの状態。密閉されたスモーカーの中でこのタイミングを見極めるのは難しい。燻製道士さんの経験値の高さが伺える。
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おそらく燻製道士さん長年の夢であったろう、白州で飲む白州12年のハイボール。それも燻製を食べながら飲めるというのがいい。鉢植えのミントの葉を一枚ちぎって手のひらでパン!と叩いて入れる。これが白州の「森香るハイボール」だ。今まで最高のハイボールは白州10年かラフロイグ10年だと思っていたが、白州12年も捨てがたいということがこの燻製キャンプではっきりとした。こんど行きつけのバーで作ってもらおう。バーで飲むハイボールは特別にうまいから、白州12年がどんなハイボールになるか楽しみで仕方ない。
シメは改良に改良を重ねたという燻製カレー。カレー粉に燻香を付けていたのは知っているが、レシピなど詳細は不明。このおいしさはハンパじゃなかった。丸々2杯分おかわりしたのは、たぶん僕だけだったのではないか。この燻製カレーのライバルが都内にあるというから、今度食べ比べてみようと思う。本家に迫る味なのはたぶん間違いないだろう。

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