『東京「駅近」居酒屋名店探訪』(東京書籍)(税込1,365円)が発売されて、1ヶ月。書店を見て回ったり、人から評判を聞いたりするなかで、なんとなく反応が掴めてきた。藤原さんのコラムは非常に充実していて、そのことに関する賛辞も多い。独自目線で綴られたマニアックなコラムの数々は、教えられるところもあれば「えっ?そうなの?」という部分もあり、藤原ワールドが全開。ぜひじっくりと読んで楽しんで欲しい。
今回の本については、『東京「駅近」居酒屋名店探訪』(東京書籍) 発売!などにも書いた通り、僕としては新たなチャレンジの意味合いが大きい。本にも雑誌にもテレビにも出たことがない、文字通り「知る人ぞ知る」居酒屋をいくつか紹介した。そんな中でも最もサプライズと言えるのが、渋谷の「GNSP」だろう。クチコミサイトなどでも完全なノーマーク。でも連日満員の人気店だ。なぜ知名度が低いのか?たぶん雑誌やテレビのリサーチ不足なんだろうと思う。僕も時々ネタ出しの依頼があるけど、評価する側が食について認識が低いと面白さが伝わらないというのはよくある話。その店のよさが分からなくても、実績があれば話は別。「~テレビの~という番組で取上げられた」と言うだけでOKが出ることは多い。雑誌にもテレビにも出たことがない店は、ほんとうに採用されにくい。GNSPも何度か紹介したが、食いつきがよくないのはそういう理由からだろう。
何度も通っているのに、ブログに書いてない店も多い。ある程度知られるようになるまでは、ブログでは紹介しないことにしている。居酒屋は特に、そっとしておいた方がいい場合が多い。「東京「駅近」居酒屋名店探訪」には、そんな店もいくつか載せることにした。一般に知られていない店を自分の著書で紹介するのは面白い。二番煎じばかりの居酒屋本にあって、これほど新店を紹介した本は最近ではあまりないと思う。萬屋おかげさんもご主人に事情を説明して、書かせてもらった。他にもミシュラン掲載店をのせているので、興味のある方は探してみてほしい。ミシュランと見比べると、感じ方、勧めるポイントがかなり違っていて面白い。萬屋おかげさんについては、ミシュランの方が間違えている(安居酒屋ではない!)と、個人的には思うんだけど・・。