銀座昭和通り沿いにある、赤い扉のオープンカフェ「Pour cafe(プルーカフェ)」。この店の名物「山形水ラーメン」が面白い。最近、なぜか何でも凍らせて食べる人多いそうで、冷やして食べるのがちょっとしたブームになりつつある。いや、もう夏も終わりなのでブームも終了か。プルーカフェは、その名の通りカフェなのだが、ラーメン好きの間では、ラーメンの店として認知されている。カフェにしてラーメン専門店顔負けのクオリティ。これは異色のカフェだ。
この店ではじめて「山形水ラーメン」800円というメニューを見た時、ドキッとした。カフェのメニューにラーメンがあってもそれほど期待はしないが、「山形水ラーメン」となると話は別だ。そこまで踏み込んでいるということは、本格派に違いない。ラーメンが運ばれてきて、そのビジュアルに二度ビックリ。ど真ん中に、巨大な氷が載っている。これがダシで作った氷というから驚きだ。ダシ氷はスープよりもやや薄めにしているという。時間と共に溶け出すのを楽しみながら食べる。その濃度も計算に入れている。ここまで聞いたところで、もう降参である。
肝心の麺はどうだろう。麺好きにとって、緬はスープより大事なポイント。ハシを差込み、麺を持ち上げる。一緒に冷ややかなダシの香りが立ち上った。ずるずるっ…。中太の平打ち。これはうまい。氷水でシメた麺の歯応えがいい。これはタダのカフェではない。ラーメン店を凌駕する味と個性。見た目はオシャレなカフェだが、ラーメンは骨太だ。オーナーは元ラーメンの屋台をしていた方らしい。しかしこのクオリティはそんなものではない。山形名物の冷やしラーメンをアレンジした「山形水ラーメン」。大きなダシの氷のインパクト。いや、これはヤラレタ。
ラーメンには参りました。それでは他のメニューはどうだろう。ロコモコが人気らしいが、ここはもう少し変わったものにしよう。「豆乳カレー」800円を注文。水の代わりに豆乳を使っているらしいが、インパクトは薄い。まろやかで、やや優しい印象のカレーだ。さっきのラーメンの個性が強すぎて、あとは何を食べても印象は薄いのではないか。
では、ここからは飲みに入ろう。プルーカフェは酒類も豊富。大勢で騒がしく飲む客も多く、夜はパブのような雰囲気になる。そうすると、酒に合いそうなものを頼みたくなる。パッと目に入った「ローストビーフサラダ」790円と「牛すじの赤ワイン煮込み」790円にした。メニューの上から貼り付けられているのは、新メニューだからか、オススメだからか。
このへんのツマミはまずまず。ここはビールがうまい。ザ・プレミアム・モルツがあったので、ゴクゴクと3~4杯飲んでしまった。少し騒がしいのも、周りを気にせず会話できてちょどいい。酒場としてもいい感じの店だ。時々こんな所で、隠れて飲むのも悪くない。
■店名:Pour cafe(プルーカフェ)
■住所:東京都中央区銀座1丁目14-9
■電話:03-3535-0516
■営業時間:11:30~23:30/金11:30~01:00/日祝11:30~20:00
■定休日:無休
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