今年の4月にオープンしたラーメン二郎の新店、千住大橋駅前店。オープンから半年ほど経って初訪問した。いつからか、新店オープンの日に二郎に行かなくなってしまった。二郎の新店オープンの日は、二郎ファンにとって一大イベントだ。各店の店主が応援に駆けつけ、各店の常連同士が顔を合わせる。もちろんそこには三田のおやじさんの姿もある。かなり早い時間に並ばないと売切れてしまうので、みんな朝早くから大行列を作る。今まで見たこともない200人の行列。その行列も普段とは雰囲気が違っていて、お祭りムード。新たな二郎店主に対する祝福と期待で、周囲は暖かな空気に包まれている。この大行列も年々エスカレートしてきて、今では徹夜する人もいるらしい。どうも最近の行列には参加する気になれず、しばらくオープン日に行っていない。あの嬉しそうなおやじさんの顔を見るだけでも、並んだ甲斐があるとは思うのだが。
もう開店から半年経っているので、味も落ち付いた頃だろう。二郎の新店はスープが安定しない。どこの店もオープン日にうまかったことはないが、そこはみんな分かっていて記念に食べに来る。でもそれから半年、そろそろ店の個性も出来上がって、オペレーションも慣れた頃だろう。
店先に数人の行列があった。人気店だと聞いてきたが、時間帯がよかったのだろうか。野菜はモヤシとキャベツ、7:3くらいの割合。キャベツが細切りになっているのがいい。この切り方だと、キャベツとモヤシがアブラやニンニクと絡みやすく、おいしさが増す。二郎の楽しみの一つは、野菜をスープに浸して、アブラを絡ませて食べるところから始まる。何故誰もこのうまさについて書かないのだろう。二郎の魅力は、太麺やドカ盛りだけにあるのではない。まずはスープに浸して野菜だけを食べてみて欲しい。二郎はそこからだと、僕は思う。千住大橋駅前店は、盛られた野菜にアブラがよく絡んでいる。このうまさは、たまらない。
麺は昔の神田神保町店に似た感じで、それよりもやや細め。ボリュームも少なめだ。小麦が詰まったような、しっかりとした旨みを感じる。この麺は二郎の最高峰だろう。個人的にはもう少し太い方が好みだが、このくらいの太さの方が一般受けするのではないだろうか。
豚はまずまずの出来。脂身がうまく、見た目以上のおいしさだ。タレの味がよくのって甘辛い。僕が好きなタイプの豚だ。
千住大橋駅前店の名の通り、ほんとうに駅前にある。千住大橋駅に降り立つと、駅のホームに二郎臭が漂ってくる。これは尋常ではない。さすがに駅のホームでこの匂いを嗅いだのははじめてだ。こんなところに住んでいたら、二郎を無視して帰宅できないだろう。常習性のある二郎。特に「二郎臭」と呼ばれるこの匂いを嗅いででしまうと、絶対に食べたくなってしまう。そのまま、まっすぐに帰宅するのは難しいだろう。
【関連記事】
・ラーメン二郎 三田本店
・ラーメン 富士丸 神谷本店 赤羽
・ラーメン二郎 神田神保町店
・ラーメン 富士丸 板橋南町店
・ラーメン二郎 三田本店
■店名:ラーメン二郎 千住大橋駅前店
■住所:東京都足立区千住橋戸町10-8
■電話:03-3351-4351
■営業時間:11:00~14:00/18:00~21:00、土11:00~15:00
■定休日:日曜・祝日
大きな地図で見る