最初の目的地、平戸瀬戸市場に到着した。平戸瀬戸市場は田平港シーサイドエリア活性化施設として、今年の2月25日にオープンしたばかり。1階は平戸の農水産品や加工品を販売する直売所、2階は平戸の旬の食材を使った料理を提供するレストランになっている。僕らはまず2階のレストランに通された。
海側に大きなガラス窓が並ぶ明るい店内。テラスに出てみると、海辺の風が吹き抜けて気持ちがいい。平戸瀬戸や平戸大橋などが一望できる絶景。よくぞこの場所に作ってくれたというくらい、平戸瀬戸市場にふさわしい場所だ。僕らの席は店の一番奥、テラスのすぐ横に用意されていた。
九州ほど食材に恵まれた土地は珍しい。鶏や豚だけでなく、イノシシ、馬、鯨などもある。でも一番印象深いのは魚介ではないだろうか。玄界灘は九州の北西部、福岡から長崎の平戸瀬戸あたりまで広がる。世界有数の漁場として知られている。今回のツアーの予定表を見た時、最初に注目したのは平戸瀬戸市場だった。久々にうまい魚を食べることができる。それが最初の目的地とは。平戸に着いてすぐ、いきなり本丸に突入した感じだ。
料理が次々と運ばれてきた。刺身定食をメインに、追加注文で何品か注文してくれているらしい。刺身は、ヒラメ、ヒラマサ、イカ、タコ、ナマコ。どれも新鮮な輝きを放っている。特にヒラメとヒラマサのうまいこと。東京の高級店でも玄界灘や五島列島の魚をわざわざ取り寄せている店は多いが、現地で食べるのとはずいぶん違う。東京の店もいろいろと苦労はしているものの、やっぱり港は鮮度が違う。
平戸は天然ひらめの水揚げ量が日本有数。それだけに平戸市はひらめのPRにも力を入れている。ひらめは「寒ビラメ」といわれるように1月から3月までが一番うまい。今年も年明けから4月上旬までの間、「平戸ひらめまつり」が開催されている。平戸市内の16カ所の宿・飲食店が参加し、平戸の天然ひらめを使った料理を提供している。
ウチワエビ、鯨の肉じゃが、牡蠣の味噌焼き。こんなに食べれるのか?と心配になるほど、大量に出てくる。そういえばバスに乗ってすぐ、平戸観光協会のSさんに「ウチワエビ食べれますか?」と聞いてみた。ウチワエビも特産だが、日常的に食べているものかどうか。飲食店でもあまり出してないかもしれないと心配していたからだ。Sさんの「もちろん用意してますよ」という力強い言葉で、一気にこのツアーに対する期待が高まった。ただ、お昼に出るとは思っていなかったので、このビジュアルには面食らった。鯨、牡蠣も平戸の特産。このランチだけでも平戸で食べておくべき食材が全て詰まっていた。
食事を終えて1階の直売所に足を運んだ。平戸特産の焼きあご、平戸牛、ウチワエビ、クロアワビ、牡蠣、マダイなどの魚が並ぶ。これほど大量に新鮮な魚介を揃える直売所があるなんて、平戸の人はうまいものを食べている。これが空輸であれなんであれ、時間が経ったり魚にストレスがかかったりすると、味も落ちる。やっぱり何でも現地で食べるに限る。早くも「平戸に着てよかった」と感じるだけのインパクトがあった。
■店名:平戸瀬戸市場
■住所:長崎県平戸市田平町山内免345-15
■電話:0950-21-1977
■営業時間:直売所8:00~18:00、レストラン11:00~17:00
■定休日:第2水曜・1/1~1/4
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