2010年12月27日

ミシュラン 東京 横浜 鎌倉 2011

4年目を迎えたミシュランガイド東京。今回は調査地域を広げ、新たに横浜と鎌倉を加えています。東京都も足立区と荒川区を加えて合計17区。やはり一通り回るには5~6年かかるということでしょうか。東京だけで星が付いたのは240店、三つ星は14店。それに対して、本場パリの三つ星は10店。なんとパリをも上回っています。もちろん飲食店の数が違いすぎるので単純比較はできませんが、東京が世界的な美食の都市であるということは言えるのではないでしょうか。



三つ星★★★

すきやばし 次郎 本店


鮨 水谷


小十


石かわ


ジョエル・ロブション


カンテサンス


再訪したい店の筆頭は、鮨 水谷です。寿司屋としてよりも、居酒屋的な雰囲気が好きです。すきやばし次郎出身なので、念入りな手当をする店かと思いきや、そうではありません。素材の個性を重視して、一番旨い食べ方を追及しているように思えます。接客のゆるさも魅力の一つ。思い立ったらふらっと立ち寄れるくらいゆるいのが理想ですが、残念ながら予約は非常に取りづらい。僕が行った当時おまかせが15,000円、2人でぴったり30,000円。会計は非常に気持ちのいいものでした。

「絶対に間違いのない店」と思い、ジョエル・ロブションに再訪。でも結果はがっかりなものでした。1年前と比べてメニューにほとんど変化がなく、替わりに出てきた皿もバラつきがあります。コース全体を通しての印象もまとまりのないものでした。ただそれでも他の二つ星店よりも上回っている部分が大きい。とはいえ、「変化なし」は三つ星としてマイナス要因ではないでしょうか。

すきやばし次郎は別格。一度は思い切って大金を投じる価値があります。しかも30分以内で食べ切るくらいのスピードがちょうどいい。もったいぶってゆっくり食べると、絶対に損をします。小十はこの中で一番のオススメ。2万円くらいでハイレベルな和食が楽しめます。


二つ星★★

青空


分とく山


近藤


キュイジーヌ [s] ミッシェル・トロワグロ


サンパウ


ピエール・ガニェール


分とく山は、初年度から二つ星をあげてもよかったと思うのですが、なぜかずっと一つ星でした。それが今年ようやく二つ星に昇格。てんぷら近藤もそうでしたが、店自体はそれほど変わってないのに、昇格することがあります。ジャンル毎のバランスなどを考えた結果ではないかと思います。

最近食べ歩いた京都の料亭・割烹の星を予想していたのですが、昨年の「ミシュランガイド京都 大阪2010」では、ほとんど予想通りでした。ミシュランの好みそうな店が、なんとなく感覚で分かってきたように思います。ただこの感覚は、元々の僕の好き嫌いの基準とは違っています。ミシュランの評価を気にしながら食べ歩いた結果、ミシュランの好みがなんとなく分かってきたというだけ。「これは一つ星」「これは二つ星」とある程度予想できますが、自分の好みは全く逆だったりします。



一つ星★

中嶋


江知勝


尾花


バードランド


バードコート


たかはし


ます味


萬屋 おかげさん


小笠原伯爵邸


マサズキッチン 47


ミシュランの調査力ってすごいなあと思う反面、今年の一つ星を見る限り変な驚きもあります。「変な驚き」というのは、表現しづらい感覚なんですが、なんかミシュランガイドがくにろく50選に近づいてきているように思います。江知勝、尾花、石ばし、野田岩、味泉、シンスケ、萬屋おかげさん、太田なわのれん・・。どこも素晴らしい店ですが、ミシュランにはあまり載りそうにない店ばかりです。これらが一切ミシュランに出なければ、「ミシュランは日本の食文化を分かってない。数々の名店が抜け落ちている。例えば・・」と挙げたいような店ばかり。それがはじめから堂々と掲載されてます。この感覚でいけば、星に近い店は他にもたくさんあります。

僕のおすすめ店を挙げておきます。鳥栄こなから(大塚)なんかどうでしょうか。鳥栄はなぜ入っていないのか分からないほどですね。一つ星のクオリティは十分にあると思います。こなからは居酒屋ですが、料理の質は申し分ない。掲載されていても別に驚きはしません。

今回、てんぷらではじめて三つ星店が誕生しました。焼き鳥も一巡したところで、来年以降二つ星が出てくるでしょう。例えば、たかはしは一つ星に相当するのかもしれませんが、バードコートと比べると、正直見劣りがします。焼き鳥に関しては、一つ星と二つ星が混在している状況ではないでしょうか。一巡したところで、何店かが二つ星になるというのが規定路線かなと思います。

バードコートは、今年、完全にギアチェンジしたと感じました。僕の印象では既に二つ星でもおかしくはないと思います。それにしてもバードコートの紹介文にはがっかりしました。あの小さなスペースに、書かなくていいことばかり書き並べています。思い入れのある店なので、ちょっと残念です。

イタリアンはほんとに評価されてないなあと感じます。東京の星付きレストラン240軒中、イタリアンは10軒ほどですね。イルギオットーネは星を失ったし、白山のヴォーロ・コズィは文京区が調査地域に加わっても掲載されませんでした。イルギオットーネは正直、水準に達してないと思いました。ヴォーロ・コズィは、一つ星でもおかしくはないと思います。居酒屋の扱いに比べると、ミシュランはイタリアンには厳しいのではないでしょうか。

ミシュランガイドは全くアテにならないという人もいます。確かに三つ星と一つ星は突っ込みどころが多いものの、少なくとも二つ星については、それほどおかしくないかなと僕は思います。だから行くなら二つ星、もしくは二つ星になりそうな勢いの一つ星がおすすめです。

萬屋おかげさんに「5000円以下マーク」が付いていますが、これは完全に間違いです。おかげさんは客単価7,000円くらいを想定していると思いますよ。これはケアレスミスではなくて、居酒屋経験が少ないのかなと思います。居酒屋は奥の深いジャンルです。日本料理のついでに調査ができるほど甘くはないと思います。

僕は海外のミシュランをよく分かってないのですが、フランスのミシュランにはブラッスリーも出ているのでしょうか?ブラッスリーとかパブとかカフェとか、使われ方というのがありますよね。存在自体がその土地の文化なわけです。日本の居酒屋も同様です。「ミシュランに日本の文化がわかるのか」とか言う人もいますが、そこまで言わなくても、ブラッスリー、ビストロ、パブ、カフェと同じように居酒屋を見た上で、掲載にふさわしいと判断したのか。そのへんがちょっと疑問です。

世間ではあまり注目されなくなっているのかもしれませんが、僕は未だにミシュランに注目しているし、期待もしています。新しい店を発見してくれたり、これまでと違った評価もしてくれる。でも一番よかったと思うのは、職人さんが変わってきたことです。これまで師匠から教わったことをほとんど変えずに来た職人が、更に上を目指すべく内容を変えています。ミシュランお断りの店は、それはそれでいいことだと思うんですが、ミシュランの評価から逃げずに頑張っている姿はかっこいいものです。既に星を取っているシェフが、そこから更に料理を進化させようとする。今まで日本にはなかった刺激を与えてくれていると思います。


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